第8章 授業
「っ……あ、なたは……私をどれだけからかえば気がすむんですか……っ!」
「そう、だな……お前がドMで淫乱な姿を曝け出して、懇願すれば考えないでもない」
「変態」
「褒め言葉どうも」
「褒めてません」
「いい加減素直になれよ。俺みたいな男が好きって」
「ええ。私、先生みたいなイケメンで年上の男性は好きですよ」
「はぁ……可愛くない」
「可愛くなくて結構……ああああっ!!」
途端に中の物が激しく動き出した。腰がガクガク震え、何も考えられなくなっていく。
イける。そう思った瞬間、動きが止められた。
「あ……あ……」
「素直になれよ。そうすれば、お前の好きなだけ、快楽を与えてやる」
「あ……」
「ああ、俺から逃げられると思うなよ? 地獄の果てまで追いかけてやるよ」
喉の奥で笑うとゆっくり体を離した。葛城は自分の衣服を整えるとデスクに向かう。鍵付きの引き出しを開け、その中に奏の下着をいれ鍵をかけた。もう取り返すのは不可能に近い。言う事を聞くしかなかった。
「……先生は、誰にでもこういう事するんですか……?」
苦し紛れに暴言を吐こうと思っていたはずが、何故か出たのはこの疑問だった。女たらしで変態鬼畜ドS男。それが今日得た葛城への印象だった。
葛城を始めてみたのが今年の春。新任教師としてこの学校に赴任してきたのだ。整った顔立ちをしてるので、女生徒が騒ぎ出した。その騒ぎに苛立ち、そんなにイケメンなのかと見てみたのが始まり。確かに、騒ぐのも無理は無い、と思った。昔近所に住んでいたお兄さんと背格好が似ているような気がする。それから保健室は休み時間になる度女生徒が束になって押しかけていた。仮病を使ったり、わざと転んでけがをしたり。一人一人嫌な顔をせず対応していたのでそれなりにいい人なんだろう。それから保健室の前を通りかかる度に中を見た。
そして数か月後、保健室に押しかける女生徒の足がぱったりと止んだ。川島先生と付き合っていて保健室で情事をしていた、という噂が立ったのが原因。そういえば、そんな噂が立っていたな、と今頃思い出す。今日まで一言も会話したこと無かった存在。
それが今では奏の下着を盗み体の中に何かを入れたのだ。接点なども無い。それが、なぜ、このような事になったのか。今思い返しても全く分からない。