第8章 授業
「そうか。分かった」
「え」
あっさりと葛城が身を引いた。物足りない、と体が訴えている。
葛城は白衣のポケットから棒付きの飴を取り出すと、袋を取って口に含んだ。いちごみるく味。自分の愛液はそんなに不味かったのかと、言おうとした瞬間。
再び、中のものが動いた。
「あっ……あああ……」
先ほどとは違う生易しいピストン運動。秘豆を襲った振動は来ない。突いてほしい所に突いてくれないもどかしい動き。その動きもすぐに止まった。
イキたい。でも、目の前にいる男に頼むのは癪だった。
「……トイレ、いきたい……」
「却下。自慰を許可した覚えはない」
「あなたに許可を取る必要はないですよね」
「そうか。なら、お前に首輪をつけて俺のペットにするのにも」
葛城はゆっくりと奏に近付いた。その目は獲物を見つけた獣の様に鋭い。
「許可は、いらないよな?」
耳元で囁かれる。慌てて身を引こうとするが、腰に腕を回され強引に抱きしめられた。胸を押すがびくともしない。