第7章 七海建人
なに意味のわからないことを言い始めたかと思うがこのまま姿をくらませば誰にも会わずに済みそうだしいい提案かもしれないと思案する
するりと口が開放され少し咳き込む
うわーよだれ垂れちゃったじゃんと思い拭をうとするその手を抑えられる
「で...どうかな?いい提案だと思わないかい?」
そう覗き込む夏油に
「ついていってもいいけど何もしないわよ それでもいいならついていくけど」とあっさり承諾した私を見て少し素っ頓狂な顔をする夏油
「あぁ勿論。それに嫌でもそのうち暇してくれば動きたくなるさ」
と元の表情に戻ると抑えていた手とは反対の手で顎を掴み涎を拭う
見つめる瞳にあくまでも利害の一致があるからで仲間ではないという意味を込めきっと睨みを効かせる
「そんなに睨まなくてもいいだろう?さて、そろそろ邪魔が入りそうだからお暇しようか」
と言った瞬間
「邪魔って俺のこと?」
と声がする
「さ..とる先輩...」
どうしよう見られてしまった?そんな後ろめたさを感じつつも
今だったらまだ後戻りはできるかもと思う
「今だったら報告しない 誰も気づかないうちに帰れ」
そういう悟先輩に
「えーどうする?ついてくる?それとも惨めに残る?」