第1章 吉羅暁彦
「吉羅くんは本当に私のこと好きって言える?ひろとに憧れてたから一緒にいた元カノを自分のモノにして同じ立場になりたいとかじゃないって言える?私みたいに代わりじゃないって言える?」
泣きながらそう聞かれ思わず抱きしめる。
「吉、羅くん...?」
と耳元で声がする
「好きです。代わりじゃない。優越感を求めるためじゃない。金澤さんと同じ立場になるためにあなたを利用するつもりもありません。」といい体を離して見つめてくる
「もう一度言います。さん好きです。私とお付き合いしてくれませんか?」
と真剣な目をして告白する吉羅
「本当に私でいいの?」
「さんじゃなきゃ嫌です。何年追いかけてると思っているんですか。金澤さんより長いんですよ。」
と言われ
「えっ?」と聞くと
「大会で姉さんと上位によく残っていたでしょう?あの音を聞いた時いつかあなたの音を間近で聞きたいと思っていたんですよ。」
そう言われ信じられないという顔をすると
「嘘じゃありませんよ」と付け加えられる
「返事は今すぐでなくても構いません。ですが、受け入れる勇気がないなら逃げてください。」
そう言い抱きしめる吉羅
傍から見たら逃がす気など毛頭ないように見えるが逃げる気もないもいた