第1章 吉羅暁彦
唇を離すと
「さん 今だったらまだ間に合いますよ 嫌だったら逃げてください。最低な男だと罵ってもいい。いえそうしてください。私はあなたを遊びで抱きたい訳ではありません。好きだから抱きたいんです。」
そう言ってくる
思い切ってこちらも思いを話す
「吉羅くん。私ね。実は吉羅くんのことが昔から好きだったの」
そうすると驚いた顔を見せる吉羅
「吉羅くん私が付き合う前高校の時女の子と付き合ってたでしょ。ひろとと付き合ったのは穴埋めだったの。それもひろとから穴埋めを提案されたの。正直まだ子供だったし目の前で吉羅くんを見てるのが辛かったの。だから付き合ってた。でも卒業後は吉羅くんとも会わなくなって必要性がなくなった。これが正解。元々私たちは好きあってたわけじゃなかったの。ただ利害が一致してただけ。ひろともその時失恋したばっかりだったし」
と昔の事情を説明してくる
「でも幸せそうにしてたじゃないですか」
「だってそうでもしてないと諦めきれない」
そうでしょ?とでも続きそうな顔をするさん
「今日ね凄い嬉しかった。疎遠になってから全然会えなくなってもう一生会えないと思ってたでもこうして会えた。ただそれだけでよかったの。送っていくって言われた時もうきっとこれで夢は終わりなんだって思った」