第1章 吉羅暁彦
もうダメだと思いハザードをつけ路肩に車をとめる
急に止まった車にどうしたの?というような顔をする
迷いもなく
「好きです」
と口にする
突然の言葉に言葉も出ずにただただ驚く
少し考え
「えっとどうしたの吉羅くん 熱でもある?もしかしてお酒飲んでたとかじゃないよね?」
そう言いおでこに伸ばしてくる手を掴み
「熱もありませんしお酒も飲んでいません。本気です。さんあなたが好きです」
と口にすると
訳が分からないと言った顔をしてうろたえ始める
「やっと意識して頂けましたか?」
と聞くとますます顔を赤くしてコクリと頷く
「それは何よりです。」
といい車を発進させる
お酒も入り潤んだ瞳と赤い顔をした愛しい女性が助っ席に座っているのを意識すると心臓の音がうるさい
自分の思いに気づいているのか試すつもりでドライブに誘った
あわよくばと思い自宅までの道を進みすぐ近くの所で車を止めていたが引いてみろは散々学生時代にやったので押し続けることを選んだ吉羅は車を車庫にすっと入れると車を降り助っ席の扉を開けながら
「飲み直しましょう」
そう言って車から誘い出したが戸惑い動かない