第5章 逆巻レイジ
水には流せないが何もなかった時のまま接しようと決めた私は普段通り振るまった
「ごきげんようレイジお兄様」
そういうと驚いた顔をするレイジ
「これはこれは お久しぶりです。」
逆巻家当主カールハインツが余計な気を効かせたのか今日のエスコート役はレイジお兄様
逃げ帰るように帰ったあの日を思い出す
「やっぱお前もいんじゃんかよ」
「あーちゃんだぁ 久しぶりだねぇ んふ また大きくなったぁ?」
という下世話な問いにさっと胸元を隠す
「変態」
と一言蔑むと
「わぁー辛辣だねぇ 僕は別にどこがとは言ってないんだけどなぁ」
と白々しい顔で返してくるライト
「はぁ 面倒くさい これ僕いる必要あるかなぁテディ ないよね」
そう言いながら挨拶もなくいなくなるカナト
「待ちなさいカナト 全く ライトも公衆の面前ということを弁えないさい」
と嗜めるレイジに相変わらずだと思い思わずクスリと笑う
「笑っている場合ではありませんよ まったく 刻潰しを筆頭にどうしてうちには...」
というので
「まぁまぁ お兄様今日はこの位で それとも社交界デビューの私にこのまま恥をかかせるおつもりですか?」
と問う