第6章 私の初任務とあの人の存在
「……あ…」
気づけば私は寝ていたようだ。目を開けると体の節々が痛く、私は顔を顰めた。
「………タオルケット?」
私の体にはいつの間にかタオルケットがかけられており、私は辺りをキョロキョロした。親切な誰かがかけてくれたのだろうか?だが、それをするなら普通起こすと思うのだが…。
「案外、あの変質者だったりして…」
変質者が何を考えているかなんて、私には理解できない。私は大きく背伸びをし、そして後ろに誰かが立っていることに気づいた。
「…………やっと来た」
その人物はカチャッと私の後頭部に銃を突きつけた。その人物…ジンは、銃をつきつけたまま、私の耳元に口を近づけた。
「最後に遺言でも聞いてやる。何かあるか?」
「別に。あ、ちゃんとご飯食べてた?」
私はニコッ笑いながら、彼に聞いた。ジンは少し沈黙し、私の言葉を無視した。
「なぜ逃げた?逃げきれないと分からなかったのか?」
私はクスッと笑った。そして、ベンチに頭を預け、横を向いた。
「ジンは私が逃げたと思うの?」
ジンの銃はまだ私に向けられたまま。私はジンは冷たい目を私に向けている。