第6章 私の初任務とあの人の存在
~別side~
可愛い子を見つけた。そう思い後ろを付いていくと、彼女の姿がすぐに消えてしまった。慌てて探したが、中々見つからず、家に帰ったのか…と諦めて、いつもの公園へ来たところ…
いた。しかも、1人で物憂げでベンチに座っている。家出してきたのだろうか。綺麗な黒髪が揺れるたびに、俺の心が高鳴るのを感じた。彼女が見かけどおりの可愛い声で俺に声をかけた。
「…君こんな時間に何をしてるんだい?」
震える声を抑え、俺は尋ねた。彼女は俺の姿を見ると、ベンチから降り微笑んだ。
「遊ぶのに夢中で、気づいたらこんな時間になってたの。今から帰る途中」
その場から去ろうとする少女の前に立ち塞がり、俺は彼女に微笑んだ。
「大丈夫かい?何か心配なことがあれば言ってごらん。お兄さんが助けてあげるよ」
彼女は黒い大きな目をきょとんとさせ、俺を見た。あぁ…やはり可愛い。そっと顔に触れると、俺のことを少し警戒した様子の彼女。……見かけによらず気が強いのか?それもまたいい。
「警戒しなくていい。俺はお巡りさんだから。怖いことはしないよ」
優しい声を出すと、警戒を緩め、俺の服を掴む少女。その健気な少女に俺の心は震えた。あぁ……今すぐにでも…!
「…………お兄ちゃん?」
不安そうに俺の顔を見る少女を見て、俺はその欲求をぐっとこらえ、笑顔を作った。そして、
「じゃあ、行こうか?」
そう言って、彼女の手をひこうとして………
「ぐっ!?」
鈍いバチッとした痛みが俺を貫いた。