第6章 私の初任務とあの人の存在
「つ……疲れた……」
私は最初の公園で、はぁっと息をついた。ベンチに腰掛け、肩で息をする。思った以上にしつこかった。あの女の人も途中で見かけたが、男の人たちには適わなかった。なんと言っても、必死さが違うのだ。もし私を捕まえられなかったら、自分の命が危ない…とでも言うように、彼らの必死ぶりはこちらが引くほどだった。
「……まぁ…巻いたけど…」
大きな欠伸をし、私はベンチに深く座った。辺りに人影はなく、もう公園内は真っ暗。
「……もうこんな時間…」
ジンはとっくにアジトに戻っているだろうし、私がいないこともバレてる。ウォッカだけならまだしも、ジン相手だと確実に私の今の行動は死に値するだろう。
「…………誰?」
気分が落ち込んでいても、やってくる災難は続く。私はじっとそちらを見た。私を殺そうとするなら、私が気づく前にすでに殺されていた。なら…誰?現れたのは、1人の細身の男だった。
「…君こんな時間に何をしてるんだい?」
男は警官の格好をしていた。…まずいな。私はベンチから立ち上がった。