第6章 私の初任務とあの人の存在
「あ?送って行くぞ」
「ううん!大丈夫!おじさんは、事件の方に行って!!」
「わ、分かったら押すな! じゃあ、気をつけて帰れ」
「うん!!今日はありがとう!事件解決してね!!じゃあね!!」
私は彼に手を振り、走って校門から出た。あれから、学園祭を堪能した私たちだったが、体育館で殺人事件があったようで、学校は大混乱。おじさんも私を連れてそこに向かったが、既にそこに居たのは新一お兄さんだった。私は警察のお世話になるわけにはいかなかったので、ここでおじさんたちとはバイバイというわけだ。
「…………ふぅ」
パトカーのサイレンの音が遠くまで聞こえ、私はほっと息をついた。さぁ、これからどうしよう…。悩んでいると、ふと見覚えのある黒い車が横切ったように思えた。
「…………ポルシェ・356A…」
ジンの車だ。私ははぁっとため息をついた。あちらはアジトがある方面。ジン、任務終わったのか…。明日まであると思ってたんだけどなぁ…。
「………帰るか…」
そろそろウォッカがあわあわとして、バーボン辺りに助けを求めているころだろう。
「ままも……ああみえて怒ると怖いんだよなぁ」
怒られる姿を思い浮かべ、私はついに帰る決意をした。が、その前に…
「……この人数を巻かなきゃならないのか……」
ちらりとミラーで確認すると、私の方をぎらりとした目で見る男が4人。そして、女の人が1人。綺麗なブロンド髪をした女の人だ。
「……私、モテモテだなぁ」
そして、私と彼らの鬼ごっこが始まった。