• テキストサイズ

赤井さんちの一人娘

第6章 私の初任務とあの人の存在


~別side~

「なずながいなくなった?」

目の前で頭を抱えるウォッカに、僕はそう問いかけた。ウォッカはこくりと頷く。

「…アニキの部屋にもいなかったし、どこを探してもいやしねぇ…。お前、何か心当たりねぇか?」

今日は僕の方の任務があり、訓練も休みだと伝えてあった。昨日、部屋から別れた後から、僕は彼女の姿を見ていない。組織から逃げたのだろうか…?しかし、それならまず僕に助けを求めるはずだ。……まさか他に協力者が…?僕の頭に浮かんだのは、無愛想なあいつ。

「……ジンには?」

「……いや。まだアニキには伝えてねぇ。だが、アニキの任務は今日までだ。すぐにバレちまう」

彼にこのことがばれたら、あの子がどうなるかなんて…分かりきったことだ。僕は立ち上がった。

「わかりました。僕の方でも探してみます」

「……助かる」

ウォッカが僕に頭を下げる。僕はそんな彼に笑いかけ、部屋を立ち去った。そして、懐から携帯を取り出す。

「………あぁ、俺だ。至急人を探してほしい。4、5歳くらいの黒髪の少女で、服装は不明。所持金は恐らく少ないか、持っていない。恐らく公園か、無料で入れる建物内にいると思われる。顔写真は今送った。人員を割いてでも探し出せ」

早口でそう伝えると、通話を切る。これで、外はあいつらが探してくれることだろう。

「………確か…あいつは自室にいるんだっけな」

そして、俺は早足でとある部屋へと向かった。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp