第6章 私の初任務とあの人の存在
「で、どこ行きてぇんだ?」
「え…と……んーー」
キョロキョロと周囲を見渡すが、どれも楽しそうなものばかりで、正直決められない。
「こんにちは! アイスクリームはいかがですか?」
アイス!?私はチラッとそちらを見ると、売り場のお姉さんと目が合った。
「どうですか?お父さんも、美味しいですよ?」
「あ?」
私はふるふると首を振り、先へ行くよう促した。だが、おじさんはアイスをひとつ買い、それを私に差し出した。
「ガキが一丁前に気を使うんじゃねぇよ」
ガキは大人に精一杯甘えるもんだぜ、とおじさんは笑って私の頭をぐしゃぐしゃにした。
「…………あ……ありがとう……」
私は心臓がバクバクするのを感じた。おじさんはこれみよがしに私の頭を撫で笑った。
「早く食べねぇとアイス溶けるぞ」
おじさんの言葉に私は慌てて、アイスクリームにかぶりついた。頭の中では、初めての感覚にどうしたら良いか分からなくなっていた。食べたアイスはとても甘く感じた。