第6章 私の初任務とあの人の存在
そして、今。私は何故か蘭お姉さんの家にお邪魔させてもらっている。隣には起こされて不機嫌な蘭さんのお父さんがいる。
「ったく、なんで俺がガキのお守りなんか」
「……ごめんなさい」
「あー!! くそ!!おい蘭、茶……」
「蘭お姉さん、いないよ」
「くそっ!!」
新聞を頭の上に乗せ、不貞腐れるおじさん。私は苦笑し、台所へと向かった。お茶…お茶……あった。
「はい」
「あ?」
私がお茶を持っていくと、おじさんはそれを一気に飲み干した。
「…………うめぇ」
「よかった。おじさん、お腹は?蘭お姉さんが作ってくれてるけど…」
「………食う」
「じゃあ、あっためるね」
これじゃあ、どちらが面倒を見てるのか分からない。私はこっそり苦笑し、お鍋とフライパンを取り出し、火をかけた。