第6章 私の初任務とあの人の存在
「……ん?」
気づけば私も寝ていたようだ。視線を感じ、顔を上げるとちらほら人がいた。公園の外でこちらを見ている。
「………お兄さん。起きて。もう5時」
私はうんっと背伸びをし、膝の上で熟睡している彼に声をかける。
「………えっ!?!?」
ガバッと起き上がり、慌てて時計を見る男。そして、時間を見て安堵したようにため息をついた。
「5時に起こしてって言ったでしょ?」
そして、男は自分の状況に気づき、顔を真っ青にした。
「え……あ………俺は一体何を………」
慌てる男をよそに私はちらりと人だかりができそうになっている公園の外を見た。そろそろ警察を呼ばれそうだ。私は彼の手を取った。
「私お腹減っちゃった。お兄さん、何か食べよう!」
「えっ!? あ、あぁ…」
手を引く私に慌てて付いてくる男。これで朝食の心配はしなくてよくなった!