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赤井さんちの一人娘

第6章 私の初任務とあの人の存在


「はぁ……はぁっ」

甘かった。私はそう感じながら、額の汗を拭った。目の前のカルバドスは鋭い目で私の動きを見ている。私の動きを封じるように…そして私を殺すために。私の左手が銃に当たる。先程不意をつけたからこそ、カルバドスからナイフを奪うことに成功した。次はない…鋭い目がそう言う。私に分がないのは明らか。戦闘面では私は彼に断然劣る。………だったら………

「カルバドス」

私は冷や汗をかきながらも、彼に突き出すナイフをさらに強く握り、声をかけた。反応のないカルバドス。だが、動く気配がないところを見ると、こちらに耳を傾ける気はあるようだ。私は口を開いた。

「なんで銃を使わないの?」

私の言葉に少し反応するカルバドス。私はナイフを下ろした。そして笑う。

「ナイフもこれ一本じゃないでしょ?なんで使わないの?」
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