第6章 私の初任務とあの人の存在
「ベルモット!!」
「あら、まだいたの?」
今まで無言だったカルバドスが口を開くと、クスクスと煽るような言い方をするお姉さん。
「でもそうね……なずなの訓練の邪魔をしてしまったから…代わりに付き合ってあげたら?」
「え?」
いきなり話を振られ、私はビクッと体を震わせた。
「あなたも腕を買われてここにいるのでしょう?」
やばいやばい…やばいやばい…。お姉さんが何を考えているのか分からないが、唯一分かったこと。私の命が危ない!!
「…ベルモット。彼女の訓練は僕が命じられたことです。余計なことはしないでいただきたいですね」
「新参者のあなたよりも、この子のことは知ってるつもりよバーボン。なずなやりなさい」
ビクッと体を震わせる。有無を言わせない言葉に、私は頷くしかなかった。
「カルバドス、本気で…ね」
手加減してくれるかと思いきや、先に釘をさされてしまう。私は大きく息を吐いた。…ここで死ぬわけにはいかない。