第6章 私の初任務とあの人の存在
昨日は何故かよく眠れた。最近、眠りが浅かったから、今日はとても調子がよかった。それに、朝からアイスも食べれたしね!
「お、なずな。朝からご機嫌だな」
ルンルンとバーボンが待つ訓練場へと向かうと、ばったり会ったのはカルバドスだった。私はニコッと笑い、頷いた。
「そうなの! カルバドスもご機嫌だね」
カルバドスはビシッと上から下まで高そうな装飾品で身を包んでいた。その手にはバラの花束が。今日はデートかな?
「あぁ。今日は特別な日だな」
そういう彼は少し照れくさそうに頬をかく。私は彼に頑張ってと伝え、去ろうとしたが、そこでベルモットのお姉さんが現れた。
「あら、こんなところでどうしたの?」
ベルモットのお姉さんは、藍色のワンピースをなびかせ、私に微笑んだ。……綺麗…。私は一瞬見惚れてしまい、ハッとした。
「あ!バーボンのところに行かなきゃ! 私、ちょっと特訓中でね!」
すると、あぁ…とお姉さんは思い出したように口を開いた。
「そう言えば、昨日も一緒にいたわね。バーボンと仲がいいの? ふふっ、なんだか妬けちゃうわ」
バーボンの名前が出た途端、ピリッとした空気が、カルバドスから発せられる。
「あ…わ、私、もう行くね!じゃあまた、お姉さん! カルバドス!」
私はスタコラサッサとその場から逃げ出した。おぉ…怖い怖い。触らぬ神に祟りなしだ。