第6章 私の初任務とあの人の存在
~誰かside~
次の日。俺はなずなの声で目を覚ました。
「アイスがある!!! まま!まま!!ままが買ってきてくれたの??」
「ええ。食後のデザートにしましょうか?朝食は……」
ふと台所を見れば、ご飯は炊けているようで、味噌汁もできている。どうやら、おかずを用意する過程で見つけたようだった。
「おはよう、まま!今日は寝坊助さんだね」
昨日の出来事は夢だったのだろうか。どうやら少女は、夜に1度ジンの部屋へと戻ったようだし…俺は大きな欠伸をひとつした。
「まま、もしかして疲れてる?」
こてんっと首を傾げるなずな。それが、昨日の小さく泣く少女と重なり、俺は頭をわしゃわしゃと撫でた。
「えっ!? な、なに?なに???」
「なずなはいい子だなぁ」
「え?なに?ままー!?!?」
戸惑いながらも照れる彼女を、俺はぎゅーっと抱きしめ、朝食についた。