第6章 私の初任務とあの人の存在
「………………何をしているんです?」
部屋に戻ると、何故かライの姿があった。ライはなずなが寝ているベッドに腰掛け、冷蔵庫に唯一あったお酒を口にしていた。
「……酒を飲んでいる」
それは見れば分かるという言葉を飲み込み、俺は彼を睨んだ。
「勝手に人の部屋に入らないでいただきたいのですが?」
「…それはお前もだろう?」
「僕の部屋は少々ありまして、使い物にならないんですよ。スコッチは任務で使わないという事でしたので、ありがたく使わせていただいています」
だから、宿主の許可を得ている今ここは僕の部屋です。だから、出ていって………
「う…………」
そう言おうとしたとき、寝ていたはずのなずなが呻き声を上げた。
「ひっ……あ……いや……」
ひっ…ひっ……と、過呼吸のようになるなずな。俺は彼女に慌てて駆け寄ろうとした。このような彼女の姿を見たのは初めてだった。