第5章 黒の組織の重要人物
そこから、私はバーボンの姿を見ると、彼に駆け寄り、抱きついた。そのおかげか、周りから仲のいい(というより一方的に懐かれている)という印象ができた。なので、
「ままー!今日、ここでお泊まりしてもいいーー??」
という展開も誰も不思議に思わない。ということにしよう。私がにこーっと笑うと、バーボンはひくりと顔をひきつらせた。
「……あの、なずなちゃん?」
「ん?なにまま?」
にこーっと笑うと、言う気が起きなくなったのかはぁっとため息をつく。
「………これが君の言っていたいい考え…ですか?」
「そう!!いい考えでしょ?まま!!!」
ベッドに座り込んで頭を抱えているバーボンに抱きついて、屈託のない笑顔を向ける。本当にいい考えだと思っている顔。邪険のない顔。
「………そうですね……もうそれでいいかもしれないです」
諦めたように苦笑いし、私を抱きしめ返すバーボンだった。