第5章 黒の組織の重要人物
「うわー!!!」
バーボンに連れられた私は、思わず大きな声を出してしまうほど興奮していた。初めて車のドアからじゃなくて、街並みを見た。つまり、初めて外出したのだ。そして、バーボンは私をとあるお店まで連れて行ってくれた。
「何食べます?」
私にメニューと書かれた紙を手渡しながら言った。私はちょっと戸惑った。何を食べたらいいのか分からなかったから。でも、ふとメニューに乗ってたのは、小さい白いアイスクリーム。……懐かしいなぁ。確か、1回食べに連れていってくれたっけ?……その後、気づいたら女の人とどこかに行ってたけどね。あのクソ親父。
「じゃあ、アイスコーヒーをひとつと、バニラアイスをください」
「いいの??」
「ええ」
それが運ばれてくると、私は勢いよくそれを頬張った。んー!美味しい!!!煙草とお酒の匂いがしない場所でのアイスは格別だった。
「………それで? 私はどうしたらいいの??」
「え?」
何を言われたか分からないというようにきょとんと首を傾げるバーボン。わぁ、白々しい。