• テキストサイズ

赤井さんちの一人娘

第5章 黒の組織の重要人物


「…七種なずな?」

「うん!!名前ないの不便でしょ? 主にウォッカが!!」

私はにこーっと笑った。七種なずな。これが私が即興で作った名前だった。昔なんかの本で見た単語を繋げただけの名前。

「名前なんざどうでもいい。くだらねぇこと考えてねぇで、仕事しろ」

私は頬を膨らませた。ウォッカが少し慌てて、チラッチラッとミラーで様子を見てくるので、私はジンの膝にそっと顎を乗せた。

「ジンは呼んでくれないの?」

「ガキで十分だ」

そっかぁ…。私が少ししゅんとなってると、

「あ、名前といえば、なずなにも幹部の話しが上がってること知って……うおっ!」

とウォッカが空気を変えようとしてくれたが、ジンが思いっきりシートを蹴ったせいでそれは叶わなかった。

「おめぇも無駄話してねぇで運転しろ」

「へ、へい!!すいやせんアニキ」

………最近、ウォッカの扱い雑だなぁ…。私は顔を上げた。

「幹部の話って? 私もウォッカたちみたいにお酒の名前貰えるの??」

「……………」

あ、ガン無視だ。私は諦めて、自分のシートに戻った。ぷくーっと頬を膨らませて、年相応の子供のように私は窓の外を見た。でも、その内心では……

……………やばいな。

めちゃめちゃ慌ててた。やばいやばいやばい。何幹部の話って…何それ!?そこまで深入りする気はないよほんと。嫌な汗が出てきそうになる。私は遠くで建設中の遊園地を見ながら、早く行動に移さければと心に決めた。
/ 214ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp