第5章 黒の組織の重要人物
あちらさんも馬鹿ではないようで、前回逃げ延びれた換気口は塞がれていた。しかも、めちゃめちゃ厳重に。鍵付きとかではなく、木っ端微塵になって塞がれてた。
「…………げ」
私は早々に諦めて、外から出ることにした。
「おい!!キミ!!」
ふと、私を呼び止める声が聞こえたが、私はガン無視で走り出した。敵兵の姿はもうなかった。……これは強制的に敵兵はリタイアさせられたようだ。つまり、FBIVS私 ということになる。……んーますますまずい。
「殺し合ってくれてる間に逃げようと思ってたのになぁ」
指揮を取っている者は余程優秀のようだ。こうして逃げているあいだにもどんどん退路を塞がれている。私は落ちていた手榴弾を取り、振り向いて上へ思いっきり投げた。私を追っていた捜査官が慌てて物陰に隠れる。私も隠れた。
「うわっ!?」
耳を劈くような大きな音がし、煙が立ち込めた。私は捜査官が怯んでいるうちに崩落した天井から上へと登った。その時に、2個目の手榴弾を投げるのも忘れずに。
「うえっ!! 口に砂が入った…」
私は口の異物感に嫌悪感が半端なくて、ペっペッと唾を吐き出した。外はもうすぐ暗くなる。………約束の時間まであと1時間。それを過ぎたら、私は殺される。
「…………早く行かなきゃ。殺されるのはごめんだね」
私は全力でジンたちとの落ち合う場所へと向かった。