第15章 黒の組織とFBIと・・・私とジンとクソ親父
ジンがシャワーを浴びている間、私は隠していた携帯でスコッチに連絡を取る。
「ごめん、今日も任務が忙しくて帰れそうにありません……と…」
ジンの名前を出すと、過保護な彼のことだ…ここに乗り込んでくることもありえない話ではない。私はそう打つと、ふぅっと息を吐き携帯を閉じる。…ジンの気まぐれはいつ頃終わるのか…そう考えていると…
「……おい」
気配なく現れたジンに、ビクッと体が震える。振り返りながら携帯を隠そうとするが、その腕をジンに掴まれる。
「……ジ…ジン…」
「誰の手先だ」
ジンの髪から滴る水が、私の頬へと落ちる。私は、え…と言葉に詰まる。恐らくそれが良くなかった。私を掴んだ手に力が篭もり、私はベッドへと投げられた。じろりと睨む目が、冷たく鈍い光を放っているのに気づく。
「手先って何の話…? 私は誰の手先でも…」
そう弁明するが、ジンは机の上に写真を2枚投げた。そこに映っていたのは、私と…
「てめぇとFBIの犬の関係を言え」
それはバスジャックの時の写真だった。撮られているアングルから言って、恐らくベルモットのお姉さんが撮ったもの…。まさか撮られていたのか…と私は思わず顔を顰めた。それらの写真は、発砲前後の写真で、私を庇うクソ親父の様子がはっきりと映されていた。……まさかクソ親父…撮られていることに気づいて私をあのバスからすぐに離れさせたのか…? そういう考えが頭を過ぎるが、すぐにだったら言えよ…!! と拳に力が篭もる。アイツはいつも言葉が足りないんだ…!!
「どうやら、心当たりがあるみてぇだな」
ジンのこの確信めいた口ぶりから、どうやら言い逃れできないと悟る。私は彼の目を見て、そして答えた。