第15章 黒の組織とFBIと・・・私とジンとクソ親父
「ジン、ベッドで寝なよ」
ウォッカが部屋を出てすぐ、彼はソファに座ったまま目を閉じた。昨日も私を部屋に置き去りにして帰ってこなかったことから察するに、昨日も寝ていないのだろう。彼の顔色は相変わらず真っ白だった。最終手段を用いることに決めた私はため息をつき、ある香水を取り出した。それはベルモットのお姉さんに貰ったお揃いの香水だった。
「………あぁ?」
それをジンに振りかけると、彼は不機嫌そうに目を開けた。そして、眉間にシワを寄せたままその場で脱ぎ始め、シャワー室へと足を進めた。
「…………捨てておけ」
……いや、どれだけベルモットのお姉さん嫌いなの…。そう思いながらも、香水を振りまくった私にはお咎めなしのよう。
「………いや、普通に洗うけどね」
私もジンの服を洗濯機に突っ込むために、ソファから腰を上げるのだった。