第15章 黒の組織とFBIと・・・私とジンとクソ親父
~誰かside~
「ジンの考えている通りだよ。その人は私の父親だよ」
目の前のガキがそう口にした時、俺は思わずそいつの前へと立った。
「……認めるんだな。てめぇがFBIの手先だと」
俺はそいつの眉間に銃を突きつける。あの女は、FBIがこいつを保護するような素振りを見せていたと言っていた。それがこいつの意思であるなら…一生ここから出さない…そう決めていた。俺から離れるようなら、死を偽装してでも、家具のように縛り付けておく。
「なんで私がクソ親父の手先にならないといけないの?」
だが、目の前のガキは俺の言葉に失笑した。突きつけられた銃をなんとも思わないように、俺に近づき、そして満面の笑みを浮かべた。
「クソ親父は確かに頭が切れる…それは一緒に住んでいた私がよく知ってる。組織を壊滅させる人がいたら、それは多分クソ親父みたいな人なんだろうね」
冗談を言うように笑いながら、ガキは大きく腕を広げた。俺の反応を伺いながら、でも…そう言葉を続ける。
「でも、クソ親父は選ぶ人を間違えた。その証拠に、大事な局面で彼は幹部になり損ねた。もし幹部になれたら、今よりもっと組織を壊滅させる情報が得られていたかもしれないのにね」
「……何が言いてぇ」
回りくどい言い回しに多少イラつきを覚えながら、俺は問いた。すると俺の質問を待っていたかのように、ガキは嬉しそうに首を傾げた。
「私はキティ…ジンの従順な仔猫だよ。自分の始末も付けられない無能たちやその無能たちと共に行動する奴に…私がついて行くと思う…?」