第14章 季節外れのハロウィンパーティーは悪夢からの良心
~誰かside~
ドガッ…ジョディ先生の車のトランクが内側から力尽くで開けられ現れた人物に、ベルモットは驚愕する。しかし狙撃手のカルバドスはその人物を躊躇なく撃った。
「待って!カルバドス‼︎」
ベルモットは静止するように呼びかけるが、騒音で届いていないのか撃つ手を止めることは無かった。銃弾が現れた人物の足元ギリギリまで掠る…しかし、そんなのには目もくれずにその人物は灰原の元へ走り、そのまま彼女を庇うように抱きしめた。
「待てって言っているでしょ‼︎」
ベルモットはカルバドスのいる方向へと発砲する。傍から見れば仲間に銃口を向ける異常な行動…たがベルモットはその人物を傷付けたくはなかった。
「さあ、死にたくなければどきなさい!」
灰原は自分を庇う腕の中から出ようとするが、腕の主は押し留める。
「だめ…動いちゃ…警察を呼んだから…もう少しの辛抱だから…」
「どきなさい!」
ベルモットは歪んだ顔で叫ぶ。その女は貴方が庇っていい相手じゃないのよ…その言葉を飲み込みながら…
「どいて エンジェル‼︎」
ベルモットがエンジェルと呼ぶ毛利蘭という人物…それはベルモットの宝物だった。自分がずっと探し求めていた…自分を助けてくれた…天使だった。