第14章 季節外れのハロウィンパーティーは悪夢からの良心
~誰かside~
コナンはベルモットの身体でライフルの死角を作り、時計型麻酔銃で脅す。最初の発砲で狙撃手の位置は把握済みだった。警察も呼んである…あとはこの麻酔銃で女を打つだけだった。
だが、彼にとって予期せぬ事が起きる。本物の灰原哀がこの場に現れたからだ。
「に、逃げろ!!灰原‼︎早くここから…っ!?」
灰原に気をとられた一瞬…ベルモットから逆に麻酔銃を利用され、コナンは眠りに落ちる。
「バカな女…ボウヤの可愛い計画を台無しにして、わざわざ死にに来るなんて…」
ベルモットは隠し持っていた銃を灰原に向けた。
「ただ死にに来たんじゃないわ…全てを終わらせに来たのよ…」
灰原はかけていた眼鏡を外す。彼女の瞳は生を諦めたように陰っていた。
「私が生きている限り…貴方達の追跡は途絶えそうにないから…」
自分以外の人間には手を出さないように頼む彼女に、ベルモットは微笑んで了承した。
馬鹿な女…手をかけたくないから、ジンにも言わず密かに動いているというのに…。だが、キティが一緒にいたのは計画外だった…てっきりパーティーに参加しているとばかり思っていたが…とちらりとFBIの女を見る。こいつがキティを…私の仔猫を攫おうとしたのか…と今すぐにでも殺したい欲が芽生えた。だが、先にこの女だ…私の天使たちに暗闇を落とすこの女をまずは殺さねばならない。ベルモットが銃に指をかけ、灰原が目を閉じる。
灰原がその命を手放そうと諦めたその瞬間…ベルモットにも予定外の出来事が起こった。