第13章 主人公に巻き込まれる日々かと思えば、私が巻き込んでいた
~誰かside~
なずなが帰ってこない。GPSを見れば、通学路から随分距離があるところで点滅していた。頭をよぎるのは、今朝あってた誘拐犯のニュース…まさか…!! そう思い駆け、銃を構えて勢いよく扉を開けると…
「……スコッチ…」
そこにいたのは俺の幼なじみ…降谷零だった。
「……ゼ…ゼロ…!!」
俺は思わず後ろのドアに手をかけるが、それを奴が制す。辺りの様子を伺うが、この部屋には俺たちふたりのようだった。だが、1度俺を殺そうとした組織だ…何をしてくるかわからない…
「今から話すことは、お前を嵌めようとした裏切り者の話だ」
俺は目を見開いた。あの時の出来事から動けないでいる俺とは違い、目の前の奴は仄暗い暗闇の中で鮮烈に微笑んでいた。