第13章 主人公に巻き込まれる日々かと思えば、私が巻き込んでいた
~誰かside~
「私風見さんと結婚する」
久々に見かけ、つい声をかけてしまった少女…七種なずなが、脈略もなくそんなことを言い出した。…益々彼女の友人である少年からの視線が鋭くなる。
「は…け、結婚なんてまだ早いだろう!!」
しかも、年の差を考えろ…そう言うが、少女はそんなの関係ないと首を振る。
「だって、風見お兄さんまた寝れてないんでしょ?」
その言葉に思わず少女を見る。図星だった。少女はだから私がちゃんと眠らせてあげるんだと笑った。
「風見お兄さん頑張り屋さんだから、私が適度にお休みをあげるの」
そして、今日もよく頑張りましたと俺の頭を撫でる少女。……頭を撫でられたのなんて随分昔以来だと…少しでも心が和んでいる自分に苦笑いをこぼす。少女が辛い思いをしているならば、せめて自分が何か助けられたらいい…そう思っていたが、今回も癒されたのは自分のようだ。
「止めておくのね。貴方と彼が男女の仲になったら、捕まるのは彼の方よ。」
大人びた口調の少女が俺を横目で見ながら言った言葉は、心に刺さるものがあったのだが。