第12章 新たな転校生は波乱の幕開け
その後、コナンと少年探偵団の活躍、そしてとFBIのヒザ蹴りによりバスジャック犯は無力化した。しかし、あの女性…どうやら蘭お姉さんたちの高校の先生らしい。…一体、どこで潜り込んでいるのやら。そう思いながら、私がそのままハッピーエンドを思い浮かべていると…
「あ、ああ…に、逃げなきゃ…。い、今の急ブレーキで起爆装置にスイッチが入ったみたいなのよ‼︎爆発まであと30秒もないわ‼︎」
バスジャック犯の仲間であるガム女が顔を青くさせて自身の腕時計を見つめていた。彼女は爆弾は身につける物らしい。バス内部が騒然となる。
「な、なにぃ⁉︎」
乗客が混乱に陥る前に、コナンが叫んだ。
「運転手さん‼︎ドアを開けて‼︎」
運転手がドアを開けると、乗客は一斉に逃げ出す。私は1番後ろの席にいたので、流れで行こうとしたのだが、ひょいっと体が持ち上がる。そして、混乱する人混みをすごい勢いで押しのけて行くのは、私の隣に座っていた人だった。
「は…離して…!!」
私がそう言い終わる前に、私はバスから少し離れたところに降ろされる。嫌そうな顔で私が全身を叩いていると、ふとクソ親父と視線が合う。
「…何か言いたいことがあるなら…」
その視線に耐えきれなかった私が口を開くと、ふわっと何かが被せられる。…それはガウンだった。顔を上げると、クソ親父が口を開きかけているところだった。……なんだ…一体何を伝えようとして……。
「あれ?灰原さんは?」
だが、それよりも先に私の耳に届いたのは歩美の声だった。彼らの中に灰原の姿はなく、また辺りを見渡しても見つからない。ハッとしてバスを見る。
「コナンくん!?」
私より一瞬早く、コナンが弾かれたようにバスへと向かって走り出した。コナンがバスに乗り込むのを見て、私は咄嗟にバスの後部へと回る。バスからは嫌な音が聞こえ、まるでカウントダウンを刻んでいるようだった。