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赤井さんちの一人娘

第12章 新たな転校生は波乱の幕開け


あれから数日経ち、私とジンのゲームは続いていた。私はあまりにも遅いクソ親父の返信待ちで苛苛し、ジンは確実に任務を終わらせにかかっているようだった。

「……お前、何をそんなにソワソワしてるんだよ」

私の態度は直ぐにコナンに勘づかれてしまい、私は曖昧な笑みを零す。

「え…と…別になんでもないんだけど…あのね…」

どう言い訳しようか考えていると、不意にポケットの中の携帯が音を立てる。きた!!

「ごめん!! 私、急いで帰るね!!!! じゃあ、みんなバイバイ!!」

私はいつも別れる所よりも数本早いところで、別れを告げる。そして、勢いよく走り出した。誰もいないことを確認して携帯を開くと、そこには

準備完了

という文字があった。私はふぅっと息を吐いた。

「これで今までの準備が報われる…」

近々入る私の任務と並行での準備だったが、それも報酬のことを考えれば安いものだ。私はにんまりと笑みを浮かべる。私の任務…それは組織に不利益な失敗をした内部の後片付け。任務で人を殺すところを写真に撮られてしまった幹部…ピスコ暗殺の後処理だ。今回のジンの任務でもある。

「しっかし、幹部がこんな凡ミスをねぇ…」

私自身、ピスコと面識がないので別に思い入れはないが…彼をFBIに渡すことを条件にクソ親父たちには今回動いてもらっている。今回、私はピスコたちが集まるパーティにクソ親父を紛れ込ませ、さらにそこでシェリーが潜んでいると嘘の情報をジンに流す。そして、シェリーに扮したFBIの人をジンの目に触れさせ、追わせる。で、何かしらで怪我した振りをして、宮野明美の血液を落として痕跡を残せばいいって話だ。

「血縁者だし怪しまれることはないはず…うん。大丈夫完璧…あとは何かしらのハプニングがなければ上手くいく!!」

だが、この時の私は知る由もなかった。偶然、ジンの愛車を見つけた江戸川コナンと灰原哀がそのパーティに乗り込むだなんて、シェリーの幼少期を知っていたピスコが彼女を狙い……そして、本当に彼女がジンと接触してしまうだなんて……この時の私には想像もつかないことだった。
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