第12章 新たな転校生は波乱の幕開け
「……それで、シェリーを探すって言っちゃったのか…」
コクンっと頷く私に、スコッチが頭を抱えた。
「宛はあるのか…?」
そんな彼の言葉に私は大きく首を振った。それを見て、さらに頭を抱えるスコッチ。
「そんな安請け合いしちゃって大丈夫なのか? あのジンでさえ探せなかったんだぞ…」
「ない…けど…考えがある」
私の言葉にどんな考えだ…とは聞かないスコッチ。私は彼に微笑んで、立ち上がる。大体の計画はできたので、あとはクソ親父たちに協力してもらうに限る。スコッチが私に尋ねる。
「俺に…できることはないか…?」
と。私はそれに助けが必要ならその都度言うよと返し、自分の部屋へと戻った。スコッチはあの時以来、単独で任務に付かせたことはなかった。彼は自分の部下にでさえ姿を見せない私の橋渡し役として頑張ってくれている。それだけで十分だ。
「さてさて、行方不明のシェリーは一体どこにいるんだろうね…」
私には勝算があった。私はジンにシェリーを探せとは言われたけど、別にシェリーの姿を見せろと言われたわけじゃないからね。しばらくして、携帯が震える。受信したメールの内容はただ一言…
了解
とそう書かれていた。