第11章 江戸川コナンとの対立
「顔色良くなったな。昨日はよく寝れたみたいだな」
次の日、私が毛利探偵事務所を訪れると、おじさんからそのように言われ、大きく頷いた。最近の私はそんなに心配されるほど、具合が悪かったのだろうか…? だが、昨日は本当にぐっすりと眠れたため、私は笑顔で頷いた。
「しかし、今度はコナンが眠れなかったみたいだ。まぁ、昨日は色々あったからな…仕方ねぇと言えば仕方ねぇが…」
おじさんの背の向こうでは大きな欠伸をする
コナンの姿があった。ランドセルを拾い、
「お兄さん、おはよ!! いってきます!!!!」
私はコナンを連れて外へと出る。そして、誰もいないことを確認し、路地裏へと引っ張る。
「大丈夫?」
そう聞くと、彼は頷いた。そして、
「……おめぇには伝えておいた方がいいかもな」
そう言うと、私に背を向けながら足を進めるコナン。そして、簡潔に広田雅美の依頼について説明すると、歯がゆそうに奥歯を噛み締めた。
「……だが、広田雅美さんが預けていたはずの10億、病院に治療を受けていたはずの協力者…共に跡形もなく消えていたんだ…」
コナンはそう言うと、くそっと近くの塀を思いっきり叩いた。
「広田雅美の死は、近くに落ちていた拳銃の指紋が彼女の物だったことから自殺と断定された。事件の本当の首謀者…広田雅美を撃った奴は雲隠れしたってわけだ!!」
彼のその言いぶりだと、どうやら宮野明美がFBIに保護された…ことは知らないまでも、彼女が生きていることは知っているようだった。……もしかして、彼女が防弾チョッキを着ていたことが分かって…彼女が保護対象者だと気づいたのだろうか…?
「いつか必ず!! このオレが、闇から引きずり出してやる!!!!」
そう誓うその後ろ姿に気迫を感じ、私はゾクゾクとしたものを感じた。口先だけならなんとでも言える…だが…この人はそれだけじゃないような…そんな気がした。私はその後ろ姿に思わず口を開いた。