第11章 江戸川コナンとの対立
「……任務完了…ねぇ」
私はスコッチが運転する車に乗りながら、海沿いの道を眺めながらそう呟いた。クソ親父は無事、宮野明美の身柄を確保できたようだった。私はふぅっと息をつく…これでようやく気が楽になる。そう目を閉じた時、携帯が再度振動したのでハッと目を開ける。むだ何かあるのか…ウンザリしながら携帯を開くと…
「………えー…」
「ん? どうかしたか、なずな」
思わず口から出た声に、スコッチがミラー越しに私を伺った。私はなんでもないと首を振って、画面に目を戻す…画面には一枚の写真とひとつの文面があった。
『Who is…』という文面とともに添えられた写真…それは間違いようもなく江戸川コナンその人だった。
「………こりゃ、忙しくなるなぁ…」
大体、彼は身を隠さないといけない人物なのになんで探偵事務所なんかにいるんだか…?
「…そういえば…」
ふと、私は疑問に思い、運転席に体を乗り出す。
「スコッチ。この間の遊園地の始末の件なんだけど、一人薬を使った行方不明者いたよね? あれ、確か家まで行って調査してたよね? 誰が行ってたか分かる?」
スコッチは私の言葉に少し考えて、あぁ…と言葉を零す。
「新開発の薬を使ったんだっけな。確か、珍しくその開発者が指揮を執って行ってたな…えーと…名前は……」
私はスコッチから発される、ある名前を聞き思わず笑ってしまう。
「なぁんだ。私がわざわざ動かなくても良かったじゃん」
ここ数日の頑張りが無駄だったと悟った私だったが、だが私は上機嫌だった。次にこちら側へ引き入れる相手が決まったからだ。
「スコッチ!! 私その人に会いに行きたい!!!! その新薬開発した人に会いに行こうよ!! シェリーに!!」