第10章 江戸川コナンとの再会
「…………遅い…」
私は大きく欠伸をしながら、ジンたちを待っていた。約束の時間は優に超えている。ターゲットも時間を気にしながら律儀に待っているが………遅すぎる。
「……おい!! ジェットコースターで殺人が起きたってよ!!」
そんな声が耳に入り、私は嫌な予感がした。………まさか…ジェットコースターなんかに乗ってないよねあの二人。他に仲間を連れていないか…ジェットコースターに乗って探す…とか考えてないよね? 絶対に目立つだろうな…。思考を凝らしていると、日が落ちてようやく2人が姿を現した。……これで任務終了だ。私はんーっと背伸びをし、ジンやウォッカがターゲットを人気がない所へと連れていくのを見届けてから帰ろうとした。……その時だ。
「………おい、もう泣くなよ…」
「だ…だってぇ…!!」
っ!? 聞き覚えのある声がし、私は咄嗟に物陰に隠れた。物陰から様子を伺うと…
「蘭お姉さんに…新一お兄さん…」
2人が並んで歩いている姿だった。……なんでここに…と焦ったが、だがまぁ私には関係ない。そう思い直し、彼らを避けるように帰ろうとした……その時だった。
「………あいつら……!!」
明らかに普通のトーンじゃない新一お兄さんの声が私の足を止める。彼の視線の先には…ターゲットとジン、ウォッカがいた。
「先に帰っておいてくれ!!」
新一お兄さんは蘭お姉さんを一人残し、ジンたちの後を追った。………まずいな…。私はそっと彼の後を追おうとし………
「お嬢ちゃん、君迷子じゃないのかい?」
後ろから来た従業員に捕まってしまったのだった。