第10章 江戸川コナンとの再会
ステンっと転び、私は慌てて顔を上げた。対象者は……少し遠くなったがまだ追えない距離ではなかった。私は慌てて立ち上がると…
「大丈夫?」
と、真珠の首飾りをつけた綺麗な女の人が心配そうに私を見た。私は頷き、ごめんなさいとお辞儀をした。
「大変!! 血が出ちゃってる!! よそ見しちゃっててごめんなさいね」
お姉さんは血が滲む私の膝に絆創膏を貼り、飴玉を2つくれた。
「ありがとう!! じゃあね!」
「あっ!!」
私はこれ以上何か突っ込まれる前に急いでその場を立ち去った。ふと、お姉さんのあの首飾りが気になった。
「………日本人でも、殺傷能力がある武器を身につけているんだ…」
自衛が足りない呑気な国だと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。私はそんなことを思いながら、せっせと足を動かしターゲットを追う。
「………ん?」
ふと、ターゲットとは少し離れた場所に見覚えのある男女の影が見えたような……そんな気がした。
「…………知り合いに会うと面倒だなぁ」
あれこれ聞かれる前にターゲットを把握出来るところで身を隠さなきゃ!!