第10章 江戸川コナンとの再会
「…んん!?」
ソフトクリームを食べ終えた瞬間、ジンがウォッカの腕の中に私を落とした。なんだろうとポカンとしたが、すぐに分かった。
「パパ。肩車して」
私の急な頼みに戸惑うウォッカだったが、そこは流石ジンと長年の付き合いがあるだけあり、何も言わず私を肩車する。
「…………いた。3時の方向」
くるっと開けた視界を1周するまでもなく、ターゲットの男を見つけた。男は大きなケースを大事そうに抱え、一人で歩いている。
「………後をつけろ。妙な真似をしたら連絡しろ」
私がそう伝えると、ジンは淡々とそう言い、真っ直ぐどこかへと行ってしまう。ウォッカは慌てて私を地面に下ろし、
「知らねぇ奴について行くなよ!!」
とパパみを出しつつ、その後ろを追いかけた。ポツンっと1人残された私は、ジンの言われるがままターゲットがいた方角を見た。人の隙間から、真っ青な顔の男がキョロキョロと辺りを見渡している。
「……とりあえず…動くか…」
私は1歩足を踏み出した……その時、
「きゃっ!?」
と誰かの足とぶつかってしまうのだった。