第9章 スコッチと幹部昇進
「……ご…ごめんなさい……」
ジンの部屋を開けて早々、私の頬を銃弾が掠める。私は顔を引き攣らせながら、ベッドの上で不機嫌な様子の彼に謝罪した。
「わ、忘れてたわけじゃなくて……その…明日から仕事だから…宿題を………」
「あ?」
「ごめんなさい!! まだ帰ってこないと思ってました!!」
今度は空き瓶を投げられ、私は慌ててそれを避けた。ガシャンっと音がして、ガラス片が床に飛び散る。私はそれを青い顔で見つめた。
「…………宿題だァ? テメェ…あの女狐の言うことを間に受けやがって………」
………しまった…。ジンに学校という単語は禁句だった。私は慌てて冷蔵庫からお酒を取り出した。