第9章 スコッチと幹部昇進
というわけで、殺されることなく私は現在もここにいる。人の入れ替えが激しい黒の組織では、どちらかと言えば古参の方に分類されるまでの年数を重ねた。その中でのハイライトな出来事を紹介したいと思う。
ひとつめ。スコッチが味方の裏切りでNOCバレをしてしまったこと。せっかく、私が黙ってあげてたのに、全ておじゃんだ。さすがにこれには膨れっ面を隠せなかった。まぁ、何とかなったけど。
ふたつめ。クソ親父がNOCバレしてしまい、黒の組織から席がなくなってしまったこと。これは本当に笑った。それこそ、今までにないくらい笑ったし、それになんと言っても胸がスカッとした。私はその場にいなかったのだが、幹部昇格って時にクソ親父側がドジったらしい。それを聞いた瞬間、私はジンの前で盛大に笑ってしまった。
「ライって、そんな下手打つ奴らと手を組んでたんだ。見る目ないなぁ!! ジン、前から気に入らないって言ってたし、いなくなってむしろよかったよ!!」
そして、笑い続けた私は盛大にむせて、ジンからうるせぇと言われてしまったのはいい思い出だ。