第9章 スコッチと幹部昇進
「そんなに笑うか? ウォッカの奴、よほど振り回されてんだな」
私の笑いにつられて、大きく笑うスコッチは呑気なことを言う。アジトへと着いた車が停車すると、スコッチが先に車を降りた。
「………ほんと、いい拾い物をした。スコッチ、貴方本当にNOCに向いてないよ」
これなら、よっぽどバーボン…降谷零だけにやらせていた方がよかっただろうに。スコッチの能力の高さは分かっているが、元来人を欺くのに向いていないのだ。
「だから、私みたいなクソガキに騙されるんだよ」
扉が開き、殺風景な小屋が目に入る。しかし、それはすぐに扉の影から顔を覗かせたスコッチによって遮られる。スコッチが笑顔で私に手を差し出して、首を傾げた。
「ん? なんか言ってたか?」
私はふふっと笑った。ほんといい拾い物をした…そう思いながら彼の手を取り、満面の笑みを彼に向けた。
「今日のおやつはケーキがいいなって話!!」