第7章 殺しの任務
パンッ!!
私はそれをかき消すように引き金を引いた。狙いは外れ、男の片腕に当たる。男の顔色が変わり、私を見た。男は走り出した。
「クソ親父め!!なんで、余計な時しか出てこないんだから!」
私は舌打ちをし、男を追った。男は近くのビルに飛び移り、そこから逃げ出そうとしていた。私はそんな彼の足を撃ち、ビルへ飛び移った。
「…………僕を恨んでいるのか?」
男は私に問うた。…当初の計画から外れてしまったが、まぁこれで私はジンに殺されることはないだろう。私は彼に銃口を向けた。
「………別に。あなたを殺せって言われたから殺すだけ」
そして、引き金を引こうとしたが……その前に男の態度が急変した。男は私に向かって突進してきたのだ。
「殺せって言われた? 組織の人間にか! 君は……君は僕よりあいつらの方を………」
私は距離を取り、彼のもうひとつの足を撃った。これで彼は容易に移動が出来ない。私はもうひとつ息を吐き、そして足を抱えるように倒れる男に銃口を向けた。…今日は疲れた。早く殺して寝よう。だが、引き金を引く指に力が入らないのに気づいた。
「お前はあの紛争の中で生きていた。命の価値が麻痺するのも無理はない」
頭にクソ親父の言葉が流れる。私は無意識に歯を食いしばった。
「だが、他人の命を軽視する奴は、無意識にも自分自身をぞんざいに扱いやすい。お前の場合、それが生の無頓着さに繋がるんだろうが…」
……うるさい。私は今度は狙いを外すことないように、両手で銃を固定した。
「お前にはしがらみなく生きてほしい。お前は好きなように生きればいいんだ」
うるさいうるさいうるさい!!!私は首を振った。好きなこと?お前が言える立場か!!息が荒くなり、手が震えるのが分かった。