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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第7章 襲撃、ヴィラン連合!


 緑谷君の接近に気が付いた主犯二人が攻撃を加えようとワープを緑谷君の前に広げ、リーダーが黒い霧のヴィランの身体に手を突き入れる。だめだ、このままじゃ緑谷君が敵の攻撃を受ける。焦凍の相棒となる為だけに鍛えられてきた身体は、そんな私の恐怖を読み取って反射的に動いた。エンデヴァーさんに扱かれ、幾度となく練習してきた――遠心力と運動エネルギーの増加を用いた、精密なサーベルの瞬間投擲。いざという時、焦凍からヴィランを引きはがす為鍛えてきた技だった。
 風を切って、サーベルは鋭くリーダーの脇腹目掛けて飛んでいく。けれど、それでも尚リーダーの手が緑谷君の顔に伸ばされる方が早い……!まるで、スローモーションのようにリーダーの手が緑谷君の顔面に伸ばされていくのが見える。ああ、だめ……間に合わない!絶望で瞼を閉じたくなる中で、リーダーの指先が緑谷君の肌に触れかけたその瞬間に鮮血が噴き出すのをみた。緑谷君ではなく、リーダーの伸ばしたその手から。そして、時間差で痛みで体勢を崩したリーダーの脇腹を私の投擲したサーベルが掠めていった。

「一年クラス委員長、飯田天哉!ただいま戻りました!!!」

 エントランスから飯田君の大声が響き渡る。そっか、飯田君はオールマイトだけじゃなくて、他の先生方も呼んできてくれたんだ!エントランスには雄英に所属している沢山のプロヒーロー達がずらりと並んでいる。これだけのプロヒーローがいるのなら、もうヴィラン達は引くことしかできないはず。事実、ヴィラン達をすごい勢いで蹴散らしていくプロヒーロー達を見て二人は撤収を始めていた。
その二人を捕縛しようと、さっきリーダーの手を撃ち抜いたスナイプと13号が協力して攻撃を仕掛ける。霧に包まれたリーダーと黒い霧は13号のブラックホールでずるずると地面に引きずられはしたものの、ワープの個性を止めることはできず逃げていってしまった。
 これで、全てが終わった。胸を安堵が満たして身体から力が抜けてしまいそうになるのを必死で堪える。まだ、地面に伏せたまま動かない緑谷君の確認をしないと!

「緑谷君!大丈夫!?」
「あっ、し、至情さん!?ちょ、ちょちょちょちょっとまってぇ!?」
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