• テキストサイズ

人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第6章 人騒がせなマスコミ


 午前の授業は無事終了。空腹を訴えるお腹をなぐさめるために、私と焦凍はそろって食堂へと足を踏み入れる。雄英の食堂で提供されている学食は、なんとクックヒーロー・ランチラッシュが作っている。彼の作るおいしいごはんを学食価格で食べられるとは、めちゃくちゃ豪華な仕様だよねぇ。
丁度お昼時なだけあって、沢山のヒーロー科、サポート科、経営科、そして普通科の学生が広い食堂に並んだテーブルにずらりと座っている。すごい人。そう思いながらメニューに悩んでいると、ランチラッシュから日替わりの焼き魚定食をおすすめされたので、日替わりランチと書かれたボタンを押して食券を買う。隣では焦凍がそばのボタンを押しているところだった。

「やっぱり焦凍はお蕎麦なんだね。」
「ああ。奏は?」
「私は日替わりランチ!今日のは焼き魚定食みたいだよー。」

 いったん焦凍と別れて張り紙に書かれた日替わりランチの列に並ぶ。どこもなかなかの列が形成されているから時間がかかるかと思ったけど、流石はこのマンモス校で働いている食堂のおばちゃん達。手慣れているのか作業がめちゃくちゃ早い。次々と生徒の列はさばかれて、あっという間にごはんをゲット。あとは、空いている席を見つけて座るだけ。
ぱっと見るだけでは空席が存在するのかさえわからない。とりあえず、ぐるりと焦凍と一緒に回っていく。

「焦凍、こっちー。」
「お。」

 丁度二人分空いていた席を見つけて焦凍に声をかける。隣は全く知らない人なので、一応声だけかけてからお互い向かい合って座った。テーブルの上の定食を見ながらいただきますをして、ふわふわと白い湯気を立ち昇らせるお味噌汁へと手を伸ばす。

――おいしい。

 丁度いい塩梅のお味噌とおだしの味が口いっぱいに広がる。一緒におとうふやわかめも味わって幸せをかみしめる。一度お味噌汁から手を離し、今度は焼き魚に伸ばす。パリッと焼きあがった皮ごと身をほぐせば、油の乗った身が姿を見せる。じわりと滲み出た油と一緒に白い身を口に運ぶ。こちらも、おいしい。ごはんにお箸が伸びるのが止められない。最高か。

「幸せそうだな。」
「めちゃくちゃおいしい。焦凍も食べてみる?」
「ん。」
/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp