第6章 人騒がせなマスコミ
「学級委員長を決めてもらう。」
意外や意外、相澤先生からめちゃくちゃ学校っぽい言葉が出てきた。いや、クラスの担任なんだから普通のことも言うはずなんだけど、今までがあんまりすぎたんだ。うん。
ピンと張りつめた緊張感は一気に吹き飛び、リーダーになりたい人達による立候補合戦が始まる。学級委員長、私なら絶対なりたくないやつだ。今現在立候補合戦が始まっている時点で分かる通り、このクラスの人達は割と我が強い。まぁ、トップヒーローを育てる学校なんだし、こういった人達が集まってくるのも当然だと思う。けど、そういった人達が簡単にまとめさせてくれるのか?答え、無理です。
私としては、爆豪君とか峰田君みたいな変な人が委員長にならなかったらなんでもいい。しいていうなら、八百万さんか飯田君なんかが適任なんじゃないかな?とは思うけど。
「静粛にしたまえ!!」
立候補合戦でにぎやかになった教室を、飯田君の一声が治める。なんだなんだと皆の視線を集める飯田君がそのまま言葉を続ける。
「他を牽引する責任重大な仕事だぞ……!やりたい者がやれるものではないだろう。周囲からの信頼あってこそ務まる聖務!民主主義に則り、真のリーダーを決めるというのなら……これは、投票で決めるべき議案!」
言っていることは流石真面目な飯田君、ご立派である。でも、
「「「そびえたってんじゃねーか!!!」」」
「なぜ発案したぁ!?」
しっかりとその腕は“学級委員長になりたいです!”と主張していた。クラスのツッコミ役が全力のツッコミを入れている。やっぱり、このクラスって結構ノリがいいよね。あと、なりたいくせして発案するのは融通のきかない飯田君らしいと思うよ。うん。
「日も浅いのに、信頼もくそもないわ飯田ちゃん。」
「そんなん皆自分に入れらぁ。」
「だからこそ、ここで複数票取った者こそが真にふさわしい人間ということにならないか!?」
おお、梅雨ちゃんと切島君、そして飯田君で熱い議論が展開されている。確かに、我の強い人の中で複数票取れる人はそういない。間違いなく、信頼はできる人になる。ちなみに先生はだれがなっても至極どうでもいいらしい。いや、むしろ超めんどくさがって睡眠時間にあてるつもりだよね!?完全に寝袋に入ってるもんね!?それでいいのか、担任教師!