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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第5章 戦闘訓練


爆豪君の最後の一撃を左腕で受けながら放った天井への一撃。超パワーで振り上げた拳は屋上までぶち抜くほどの風圧を生んだ。丁度その風圧の通り道にあった核兵器のある部屋は見事にぶち抜かれ、たくさんの瓦礫が舞う。そして、麗日さんがその瓦礫を玉に軽くした柱でホームラン。沢山の礫に襲われた飯田君はガードせざるを得ず、麗日さんは見事飯田君から核を奪い取った。

「ヒーロー組の勝ちは“訓練”だという甘えから生じた反則のようなものですわ。」

 一戦目が終わってすぐに開かれた講評は、状況設定に一番順応していた飯田君のみが褒められる結果になった。麗日さんは核兵器という危険な武器があるにも関わらず、乱暴な攻撃をヴィラン組に対して行ったこと。緑谷君は屋内戦闘であるにも関わらず大規模攻撃を行ったこと。そして爆豪君は大規模攻撃は勿論、私怨丸出しの独断行動をとったこと。それぞれ八百万さんに酷評された結果だ。まぁ、ゲームメイクをしたのが私怨丸出しの爆豪君だったわけだし……ヒーロー組は運がなかった。Dチーム以外が相手だったらもっと結果はいいものだったかもしれない。でも、おかげで私は色々と面白いものが見れた。
爆豪君という格上の相手にでも勝ちを取りに行く姿勢と、それを成すための判断力が緑谷君にはある。はっきり言って、今のままじゃ焦凍よりも弱い。けど、いますぐじゃなくていい。個性がうまく使えるようになってからお願いすればいいだけのこと。うん、これからの雄英生活が楽しみになってきた。

「さて、じゃあ次に行こうか!」

 講評も終わり、オールマイトがさっそく次の組み合わせを決めるために太い腕をそれぞれのくじ箱に突っ込んで、球を掴み出す。黒の球に書かれていたのはI。そして、白の球にはB。つまり、ヴィラン組がIでヒーロー組がBだ。Iチームには白い柔道着のようなコスチュームを纏った尾白君と透明人間の葉隠さん。そして、Bチームは焦凍と6本の腕をもつ障子君。……これは、正直言って相手が悪い。こっそりと私はヴィラン組に対して両手を合わせた。

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