• テキストサイズ

人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第5章 戦闘訓練


 説明と共にスッと出されたくじ箱を見て、フルアーマー装備の人――声からして飯田君かな?が驚愕の声を上げる。それに答えたのは、オールマイトじゃなくて緑谷君だった。緑谷君って、根性だけじゃなくて頭もいいのかも。ますますポイントが高くなってくる。

「なるほど、先を見据えた計らい……!失礼しました!」
「いいよ!早くやろう!……と、そうそう忘れるところだった。このクラスは21人だから、1組だけ3人になる。出席番号順にくじを引いてもらうから、最後の子……八百万少女かな。君がどこかの組にランダムで入ることになる。」
「わかりました。」
「じゃあ、今度こそくじを引こう!さぁ、どうなる!」
 
 自分が担当する初めての授業だからか、めちゃくちゃ楽しそうなオールマイトに急かされる形で皆がくじ箱に手を入れていく。私が引いたのはC。引き終わった人の中に同じ組の人はいない。とりあえず、わかりやすいように1人離れて待機していよう。

 チームが順調に結成されていく中、私のチームメイトが決まったのは、もうそろそろ全員が引き終わる頃だった。

「よう、俺は峰田実。よろしくな。」
「至情奏です。こちらこそよろしくね。」

 私の方に片手を挙げながら近づいてきたのは随分と小柄で、ブドウの実に似た丸い髪が縦に並んだ髪型の男子。私の隣まで来るとその身長差は明らかで、丁度私の胸下あたりに頭がある。それだけ差があるから、話すと必然的に峰田君がぐっと私を見上げる形になってしまう。
女子が胸を気にするのと同じように、男子は身長を気にするって聞いたことがある。けど、見上げてると首が痛くなっちゃうだろうし、もう少し距離を取った方が首のためにはいいんじゃないのかな。言うべきか、言わないべきか、それとも私がしゃがむべきか、悩んでいると隣から声が聞こえた。

「ヤオヨロッパイに比べたら控え目、けどなかなか……」
「ひえっ……!?」

 隣を見て、漸く峰田君の視線が胸に釘付けなのに気がつく。え、峰田君って、そういう人!?隣に来たのって、わざわざ胸を近くで見るためとか、そういうことなの!?慌ててマントで胸元を隠して、峰田君の視線から逃れるように後ずさる。恥ずかしさで身体中が沸騰しそう……!

「左右で丈の違うスカート、そして短めのブーツ。至情、お前はよくわかってる!ヒーロー科さいこ、ゲフッ!」
/ 272ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp