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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第5章 戦闘訓練


 確かに、ヒーローはヴィランを捕らえる職業であって殺す職業じゃない。殺さないように手加減を。かといって手加減しすぎると、今度は殺人を厭わないヴィランの攻撃でこちらが殺されかねない。今の私達が考え付く方法で上手くクラスメイトを捕らえて見せろ、そういうことかな?うーん、正直ヴィランは気絶させちゃえばいいかなって考えてたから捕縛のことが頭から完全に抜けていた。コスチュームの変更とかができるなら、捕縛用ロープとかを足さなきゃいけないかも。

「勝敗のシステムはどうなります?」
「ブッ飛ばしてもいいんスか?」
「また相澤先生みたいな除籍とかあるんですか……?」
「分かれるとはどのような分かれ方をすればよろしいですか?」
「このマントヤバくない?」

 先生の説明が終わったと判断したのか、それとも憧れのオールマイトによる初のヒーロー基礎学に気持ちが逸ったのか。矢継ぎ早に皆が質問をオールマイトにぶつけていく。質問の中に授業と関係ないのが紛れていたのは聞き取れたけど、もう誰がなんの質問をしたのかわからない。
オールマイトはNo.1ヒーローとはいえ、新人教師。クラスの勢いに気おされたのか冷や汗を流して震えている。でも、そこはNo.1。震えを一瞬で消し、ポケットからサッと取り出したのは――カンペだった。

「いいかい!?状況設定はヴィランがアジトに"核兵器"を隠していて、ヒーローはそれを処理しようとしている。ヒーローは制限時間以内に敵を捕まえるか、核兵器を回収すること。ヴィランは制限時間まで核兵器を守るか、ヒーローを捕まえること。」

 “核兵器”……設定はめちゃくちゃハリウッド映画っぽいけど、ヒーロー役もヴィラン役も勝利条件に“相手を捕らえること”と“相手の目的を阻止すること”が含まれている。どちらの立場になってもヒーローとしての訓練になっているのがすごい。ただ、ヒーローとヴィラン……どちらの役が有利かといったら、有利なのはヴィラン側。核兵器を人質……いや、物質?にしてヒーローの動きを阻止することもできちゃう。もしヴィラン側になったらやってみようかな、物質。

「コンビ及び対戦相手はくじだ!」
「適当なのですか!?」
「プ、プロは他事務所と急造チームアップすることが多いし、そういうことじゃないかな……」

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