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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第5章 戦闘訓練


 合否通知に一緒に入っていた被服控除。“個性届け”、“身体情報”、そして“要望”を提出すると、雄英高校と提供しているサポート会社が格安で最新のコスチュームを要望に沿って作成してくれる素敵なシステムとなっている。このコスチューム案でエンデヴァーさんと焦凍の間にひと悶着あったのはまだ記憶に新しい。
“オールマイトを超すヒーローになるお前にはしっかりとしたコスチュームを用意せねば”と張り切ったエンデヴァーさんが考案したデザインは、焦凍によってただの紙吹雪にされてしまった。ついでに、と一緒に用意してもらったらしい私の案も含めて。で、一から自分で要望を書いて提出することになったのだけど、どんなのがいいのかあまり想像がつかなかった。だから、元にしたのは夢に出てくる騎士の私。もちろん、そのままのを着る気はないから多少はアレンジを加えた。
 開いたケースの中に入っていたのは、ほぼ要望通りのもの。青と白を基調にしたコスチュームで、ファンタジーに出てきそうな軽装の剣士のようなデザイン。ビスチェ風のトップに左右非対称なスカートとワンタッチで取り外し可能な伸縮性抜群のマント。両腕には衝撃から腕を守るサポーターとグローブ。右手の甲は核石が見えるように開けてもらってある。そして、高速で飛びまわる足にもしっかりと衝撃を吸収してくれて、氷の上でも滑りにくい素材でブーツを作ってもらった。腰の方には救助活動で使用する包帯や痛み止めなんかを入れるポーチ。うん、結構いい感じなんじゃないだろうか。しいて言うなら、ちょっとスカートが短い気がするんだけど……中が見えないようにインナーパンツもあるし、大丈夫大丈夫。
 コスチュームを身に着け、少し動いてみる。うん、動きやすくて軽い。要望通りなら色々できることは多いし、少し楽しみだ。

「おお!かっこいいね!」
「ありがとう。麗日さんもかわいいよ。」

 話しかけてくれた麗日さんのコスチュームは、宇宙飛行士っぽいデザインになっている。彼女の個性は無重力だし、いいイメージだと思う。ただ、結構ぴっちりとしたスーツだから身体のラインがしっかりと強調されてしまっている。はにかみながら指をもじもじとさせて麗日さんは笑った。

「あ、ありがとう。でも、もっとちゃんと要望書けばよかった……パツパツスーツは、ちょっと恥ずかしい……」
「ケロッ、大丈夫よ。よく似合っているわ。」

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